「島より」は2022年12月に中島みゆきさんが工藤静香さんに提供した楽曲で、ご自身のアルバムでもセルフカバーされています。
https://www.uta-net.com/song/333317/
私の作詞作曲のルーツは中島みゆきさん。
中学生の時に深夜放送の「オールナイトニッポン」にハマり、翌日の授業は半分くらい寝ている、先生から親に注意が入ったものです。。
この「島より」は、まさに私が大好きな「ストーリーテラー」なみゆきさん節。
1フレーズ聴く毎に、次はなに?と引き込まれていきます。
まずタイトル
「島より」
誰かに宛てたメッセージかな?
「私たちが暮らした あの窓からは 見えなかった星の渦が騒いでいます」
この2行で
主人公は今、満天の星が見える空気の綺麗な「島」に来ていて、都会で一緒に住んでいた相手に向けて手紙を書いている、
と言うシーンが浮かびます。
「浴びるような星の中 心細さも戻りたさも涙も 溶けていきます」
さらに、一緒に住んでいた恋人と別れて一人この島に来て、未練もあったけれど、島の自然に癒されて今は穏やかでいる事、を手紙に書いているのでしょう。本音か強がりかわからないけど。
「私じゃなかった だけのことね」
この一言で、別れの原因は彼に別の相手が出来たこと、それも、無理に奪われたのではなく、彼と彼女は自然に惹かれあっている事がわかって自分は身を引いた、恨んではいない、ということが感じられます。
「初めての場所で 習わしを覚え 多分忙しく生きていけるでしょう」
今住んでいる「島」は故郷とか実家ではなく、初めての場所。
忙しく生きていけるから、もうあなたとの事は思い出す暇はない、心配しないで、という強がりのように私は聞こえます。
「島よりとだけしか明かさぬ文は それゆえ明かすでしょう 心のあやを」
これは手紙の文面ではなく、封筒の差出人には住所も名前もなく「島より」とだけ書いてる、という事でしょう。返事が欲しいわけじゃない。構って欲しいわけじゃない。
でも自分の気持ちを伝えたい。
これだけの文章の量でたくさんの情報を伝えています。
さらに2番では、吹っ切れない未練っぽい描写もあります。
「私は大丈夫」と言いながら本当は気にして欲しい、ずっと引っかかっていて欲しい、という願望があるのかもしれません。
人によって解釈も違うでしょう。
俳句は、わずか17音にどれだけ情報を詰め込めるか、ということを考えます。
歌の歌詞も同じで、さらに耳から入ってきた時に次は何?と待ち構えるほどのストーリー展開があると最後まで聴いてしまいますね。
昨今はみんな忙しく、YouTubeのショート動画やtiktokのように、美味しいところだけを切り取って数秒聴かせる、というのが当たり前になりつつありますが、
たまには頭からフルでじっくり聴きながら歌詞の世界を味わいたいものです。
芽亜利・Jバースデイワンマン
★2023年11月5日(日)昼12:00 open 13:00〜
夜17:00 open 18:00〜
ご予約 4000円 当日 4500円
お申し込みページ
昼の部 https://resast.jp/events/844316
夜の部 https://resast.jp/events/844364
※指定席になりますので、ご予約と事前振り込みをお願いします。
